
営業に携わった人は耳にしたことがあるだろう。
「人間力溢れる営業マンは売れるし、スキルやテクニックより人間力を磨きなさい」と上司やネット上で騒がれている。
実は「優れた営業マンになる為には人間力を磨く」という発言は半分正解で半分不正解なのだ。
正直にお話しすると、このブログを書いている私に人間力はない。
ただ60ヵ月連続グループNo1に輝き、中小企業ではあるが最年少役員に抜擢された。
その立場になってようやく営業の本質に気付いたのである。
営業とは人間力を磨く前に成績を叩き出すことが先。
「人間力は営業成績を叩き出す過程で磨かれるものだ」と気付いた。
順番が逆になってはいけないのだ。
人間力が先になると人格否定が先行し、精神的に病んで営業をリタイヤする人が後を絶たなかった。
8年間の営業人生で確信を持って言えることは一つ。
「人間力に逃げないで、まず成績を出しなさい」ということ。
営業成績の挙げ方をこれからあなたに語っていくとする。
その過程で必ず「人間力の壁」にぶち当たる。
その時が人間力を磨くタイミングである。
なぜ人間力の前に営業成績を叩き出すことが先なのか
人間力より営業力をつけるのが先
今までパッとしない営業成績を挙げる人を観察した結果、わかった事実が1つある。
人間力を磨こうとする人は”いい人になろう”と同義で考えていたのだ。
つまり営業のいい人はお客様の言う通りになる”御用聞き営業”に酷似する。
常にお客様の言う通りに動き、いつも笑顔で営業活動をするのが人間力だと勘違いする人が多かった。
実は営業の人間力とは「お客様に厳しいこともハッキリ言えること」なのだ。
厳しいことを言って嫌われないためにはお客様の信頼獲得が何より必要。
信頼獲得をするために必要なのが下記の事項である。
【人間力より先に磨くこと】
・営業の第一印象
・営業のアイスブレイク
・営業ヒアリング
・営業プレゼン
・営業クロージング
この5つのstepを経て契約を結ぶことができるのが営業である。
その過程で人間力を魅せるのであって、人間力ありきで顧客との商談が進むわけではない。
なぜならお客様に第一印象で覚えてもらうことが出来なければ「人間力を発揮」する前にゲームオーバーになってしまうからである。
だからこそ悠長に「人間力を磨こう!」など言っていては永遠に売れることはないのである。
営業成績を叩き出す前に潰れてしまうのが関の山。
まずはきちんとした営業力を学び、成績を挙げる過程で人間力を磨いていただきたい。
結果として長く業界で活躍できる人間力のある営業マンになれる。
人間力を磨く前に最低限の営業テクニックを学ぼう
人間力を学ぶ前に勉強すべき「営業テクニック5選」
人間力は営業成績を挙げる過程で身に付くもの。
ぜひ壁にぶつかりながら人間力を磨いてほしい。
それでは5つの営業テクニックを学び、まずは営業成績を挙げることに特化して頂きたい。
※この5つをマスターした営業職の者は右肩上がりに成績が挙がっていった。すぐに実践可能なコツを凝縮したので7分ほどで読み終えることができる。
1.営業の第一印象~人間力を発揮する前に相手に印象を!
「初めまして」から始まる出会いの連続が営業の仕事である。
ルート営業(法人まわり)以外は初対面からスタートするのがほとんど。
訪問営業や店舗型営業でも売れる人と売れない人がクッキリ分かれる。
「なぜ次のアポ取りも出来ずに、売れる営業と売れない営業に分かれるのだろうか」
答えはとてもシンプルで「お客様に覚えてもらえないから」である。
印象が薄すぎて”いい人そう”だけど、記憶に残らない。
この事実に気付かずに営業している人が殆どだ。
営業で一番大切なことは人間力ではなく、目の前の人に覚えてもらうことである。
覚えてもらわなければ営業活動は始まらない。
そこで誰でもできる印象アップのコツをお伝えしたい。
「初めまして」の挨拶で”ある一言”を付け加えるだけで印象が10倍アップする方法をまとめた。
新人時代に知っておきたかった営業スキル。
2.営業のアイスブレイク~お客様の心を掴む人間力を使わないスキル
初対面の人に覚えてもらう技術を獲得した上で次のstepに進みたい。
印象に残すことはできたが、お客様と仲良くなるのが苦手な方に読んで頂きたい。
人見知りな不器用営業マンこそ必読すべき内容である。
私のような人と話すことが苦手なコミュ障と言われた営業マンが爆発的な売上を叩き出すのは”このスキル”があってこそ。
人間力を少し使う営業のアイスブレイクの技術をご覧いただきたい。
”だから”売れる営業マンは顧客との距離が近いのだ。
※そもそもアイスブレイクとは?どんなスキルなの?という疑問を解決する記事をまとめた。
失敗しないアイスブレイクは世の中に少ない。必見記事である。
3.営業ヒアリング~ここで失敗する人が続出!人間力ではカバーできない
多くの営業マンが壁にぶつかる「ヒアリング」部分。
営業の肝と言えるヒアリングを警察官の尋問のように聞いてしまうから信頼崩壊してしまう。
せっかく前章までのスキルで顧客との信頼構築を積み重ねてきたのに”急にスイッチが入って色を出す”人が多い。
自慢して申し訳ないが、私の営業能力の中でヒアリング能力が一番自信がある。
次に繋がる営業プレゼンの前のヒアリングがズレると提案もズレる。
つまり成約からは一気に遠ざかるということ。
だからこそ一番集中して欲しいstepなのだ。
※営業のヒアリングは質問してはいけない。
その営業スキルに驚くことだろう。
4.営業プレゼン~人間力を出さずして勝ち取るテクニック
完璧なヒアリングの次は「営業プレゼン」である。
売れる営業マンと売れない営業マンはプレゼンの差にあると言っても過言ではない。
売れる営業マンはプレゼンの勉強をしているのに対して、売れない営業マンはプレゼンの勉強をしていない。
そこでハッキリお伝えしたいことが一つある。
営業のプレゼンは起承転結で話すべきではないということ。
最初に話し出す1分の滑り出しに懸かっている。
この1分でプレゼンが成功するか否か、が成約の分れ目である。
本当は教えたくなかったが、冒頭の1分間のコツをまとめた記事をご用意した。
私はこのスキルのおかげで成約率90%を超え続けている。
5.営業クロージング~人間力を発揮せずに契約する方法
売れない営業マンに限ってクロージングの時に鼻息を荒くしてお客様に説得しようとします。
ただ本当に売れる営業の方は「説得」ではなく「納得」させる。
売れ続ける営業マンは納得させるわけではなく、勝手にお客様が納得している状態を作り出すのである。
あくまでも契約書や商品説明は”最終チェック”くらい肩の力が抜けた状態が理想。
そのクロージング状況を作り出すことができれば「再現性のある営業」を確立することができる。
再現性のあるクロージング技術さえ身につけることが出来れば「人間力」を使わずに契約を結べる。
業界トップ1%に入る営業マン達が隠してたクロージングテクニックを分かりやすくまとめた。
失敗しないクロージング3選をゆっくり読み込んでほしい。
最後に:人間力は契約後に必要な能力である
契約後の紹介に繋がるのが人間力である
5つのstepでお分かりの通り「契約まで」は人間力を使わずに契約ができる。
ただ8年間営業を通して気付いたのが”紹介営業”を頂くとなると人間力が必要になってくる。
なぜなら契約までは仮面をつけて営業テクニックで契約まで持ち込めるが、契約後は99%の確率で装っていた仮面が剥がれるからだ。
つまり短期勝負の営業ならばテクニックで問題ないが、長期戦の営業(保険営業や住宅営業など)は人間力がないと紹介はもらえない。
だからこそ営業で培ったテクニックを呼吸するかの如く無意識レベルまで落とし込まないといけないのである。
私は契約してからが本当のお付き合いが始まる住宅営業に従事している。
だからこそ分かるのだが、活躍し続ける営業マンは契約前と契約後の態度が一貫して変わらない特徴があった。
これを「営業は人間力が必要」という所以だったのだ。
磨いた営業テクニックを人格レベルまでに刷り込むことができれば本当の営業マンになれる。
ピンッ!とこない方は、まず営業で数字を挙げてみてほしい。
成績を挙げ続けたあとに「あ、こういうことを言っていたのか」と腑に落ちる日がくるだろう。