
「一番営業で重要なスキルはなんですか?」と聞かれたら「コミュニケーションスキルです」と脊髄反射レベルで即答する人が多い。
だが具体的に「営業のコミュニケーションとは何ですか?」と踏み込んで聞くと、ウッと言葉に詰まる営業マンが多い。
つまり世の中の大多数の営業マンはきちんと頭の中で「営業におけるコミュニケーションとは何か」を考えていない。
営業で最も重要なスキルが「コミュニケーション」と答えられるのに言語化できていない営業マンが多い。
そこで本章では下記の3部構成でお話を進めていきたいと思う。
【営業×コミュニケーション3step】
・売れる営業マンのコミュニケーションの違い
・営業に必要不可欠なコミュニケーションスキルとは
・具体的な営業のコミュニケーション力の鍛え方とは
あなたが3つのstepを読み終えた頃には”あなた自身”が「営業におけるコミュニケーションとは何か」を言語化して語ることができる。
結果として時代に左右されない『再現性のある営業活動』が手に入るだろう。
Contents
売れる営業マンのコミュニケーションの違い
そもそも営業におけるコミュニケーションとは何か
まず冒頭の「営業におけるコミュニケーションとは何か」を簡潔に伝えたい。
営業におけるコミュニケーションとは”お客様自身ですら気付かない問題点を見つけてあげること”である。
よく巷では営業とは「お客様の問題を解決するのが営業の仕事だ」と耳にする。
とても正しいし、誰もが納得する正論だと思うが”その前の段階の問題発見”についての重要性を説く営業マンは極めて少ない。
問題発見したあとに解決する作業は誰でもできる。
その前の段階の「顧客の問題発見」に注力を注ぐべきなのである。
気付かない顧客の悩みを発見するのが、営業におけるコミュニケーションなのだ。
具体例:コミュニケーションから悩みを解決した事例
とある10階建ての築40年のビルのオーナーさんが女性からのクレームに悩んでいた。
「エレベータが一つしかない上に10階までエレベーターが来るのが遅い。もっと早いエレベーターに変えて欲しい」と連日、クレームを受けていた。
そのオーナーさんは考えた。
・エレベーターを新しいのに変更するか
・悪いことをしているわけではないので無視し続けるか
・とにかく謝り続けるか
エレベーターを変えるにしても何百万円と費用がかかる。
無視や謝罪で収まる気配はないが、他に成す術がない。
これが売れる営業マンならば簡単に解決することができる。
コミュニケーションを通して問題を引き出すだけで、この問題は解決されるのである。
コミュニケーションを通して悩みを見つける営業
結論から言うと売れる営業マンならば「エレベーターの横に姿見(鏡)を設置する」だろう。
なぜなら女性がエレベーターのボタンを押して”10階に来るまでの時間”にイライラしていたからだ。
それを解消する為にエレベーターの横に鏡を置いて、身なりを整えさせる時間に変えたのである。
つまり自分の髪型や今日の服装などをチェックさせることで”エレベーターを待つ時間のイライラ”を解消した。
これは営業マンがその女性をちゃんと見て、コミュニケーションを通して不安を探ったからに他ならない。
反対にビルのオーナーさんは”その女性と向き合わず”に「エレベーターの速度を速くすること」しか頭になかった。
きちんと女性と向き合い「相手のイライラポイントはどこにあるのか」さえ押さえれば提案できた話である。
営業に必要不可欠なコミュニケーションスキルとは
デキる営業とデキない営業のコミュニケーションの差
デキる営業マンは先ほどのエレベータの女性の件を解決できる。
だがデキない営業マンはビルのオーナーと同じ発想をする。
この違いはどこから生まれてくれるのだろうか。
それは主語のベクトルが自分に向いているのか否かの違いだった。
先ほどのビルのオーナーが売れない営業マンと同じ発想なのだが『自分のことしか考えていない』のである。
■デキない営業の自分思考
・エレベーターを新しいのに変えるとお金かかる
・無視や謝罪の方がいいかな
・諦めてくれるためにはどうすればいいかな
■デキる営業マンの相手思考
・待ち時間にイライラしているのかな
・エレベーターに対して怒っているのかな
・以前からオーナーに対して不満を持っているのかな
つまりデキる営業マンは考えるベクトルの先が”全て相手(顧客)”だということ。
この思考を持って”女性に上記の疑問を質問していくだけ”で女性が抱える悩みが浮き彫りになっていく。
営業のコミュニケーションとは相手目線に立ち、相手が不快・不安に思っていそうなことを聞いていくことにある。
たったこれだけでコミュニケーションの取り方はガラッと180度変わってくだろう。
※その悩みを相手に聞く前に必要なコミュニケーションスキルの一つを記事にまとめた。
お客様の胸襟を開く「雑談のコツ」が分かれば、たった1秒で相手の本音が聞けるようになる。
具体的な営業のコミュニケーション力の鍛え方とは
具体的な営業のコミュニケーション力の鍛え方
まず会話がきちんと成立しないとコミュニケーションも成立しない。
デキない営業マンに多いのだが「質問と答えが一致していないケース」が多い。
例えば下記の会話例をみてみよう。
顧客:「今日は暑いですね!」
営業:「雨降らなくてよかったですよね♫」
文章に起こすとコミュニケーションに違和感を感じるが、日常でズレた会話をしている営業マンが多い。
上記の場合、顧客は「今日は暑いか否か」の同意を求めているのに対して、営業は「雨が降るか降らないか」の話を繰り広げている。
この小さな差が営業のコミュニケーションでは大きな差としてあらわれる。
ビジネスでは下記のようなズレが多い。
顧客:「肩が凝っているんですよ!」
営業:「(背中)ココはどうですか?」
せっかちな営業マンのコミュニケーションの取り方に多いのだが「肩の凝りは背中からきている可能性がある」という検証を”勝手に会話を飛ばして”始めてしまう人がいる。
つまり頭の中で勝手に二歩先、三歩先、会話を頭の中で進めてしまう。
まさに売れない営業マンの典型的なパターンである。
※このコミュニケーションのズレを「快感」に変える秘訣をまとめた。
コミュニケーションが苦手な方はゆっくり熟読してほしい。
営業のコミュニケーションの極意は「挨拶」にある
今までお話してきた内容は「初回」の接客が上手くいった例を元に解説してきた。
営業がお客様と一番最初にコミュニケーションを取るのが「挨拶」だということを忘れてはならない。
一発目の営業の挨拶が失敗すればコミュニケーションの掴みは失敗に終わる。
売れる営業マンは挨拶の掴みが非常に上手である。
顧客に「あ、この人普通の営業マンと違う」と思わせてから入ると、そのあとのお客様との雑談やコミュニケーションの取りやすさはグンッとあがる。
とても重要な営業の「つかみの挨拶」を詳しくまとめた。
つかみの挨拶が強い営業マンはコミュニケーション上手である。
最後に:営業はコミュニケーションを取ったあとが大事
営業の仕事はコミュニケーションを取った先にある
営業の仕事はコミュニケーションを取った先にある。
営業のゴールは契約を締結することである。
コミュニケーションを通じて悩みを抽出するだけでは足りない。
その悩みに対して”適切に解決する案をプレゼン”しなければならない。
つまり営業マンがお客様の問題解決の提案が悪ければ契約には至らないということである。
ここで取り上げる「提案が悪い」というのは内容に限った話ではない。
”見せ方”の話である。
例えば解決方法が同じでも売れない営業マンと売れる営業マンの2通りに分かれる。
「え?同じ内容なのに?」と思ったかもしれないが、”同じ内容でも売れる営業マンと売れない営業マンに分かれる”のだ。
デキる営業マンとデキない営業マンの差はプレゼンテーション能力の差である。
プレゼンの仕方さえ知っていれば売れる営業マンは山ほどいる。
そのプレゼンの方法を”いますぐ簡単に実践できるもの”をまとめた。
プレゼンのコツは『80%』にある。
これを聞いてピンッと来ない人は即、読んだ方がいい。
私は優しい甘ったるい「頑張れば売れる!」的な発言が苦手である。
本当にあなたに売れて欲しいからこそ、辛口な言葉になってしまう。
だからこそ本気、本音で現役営業マンがこのブログを綴っている。
ぜひ他のテクニックも参考にしてほしい。