
最初にハッキリ申し上げるが、世の中には「売れる営業マン」と「売れない営業マン」が存在する。その両者の違いは、営業スキルやテクニックではなく、その人間の”性格”に起因する。
売れる営業マンの性格は、マメであり、勉強熱心である。だが、売れない営業マンの性格は、マイペースであり、必要以上に勉強をしない人間である。
こんなことを言うと、「営業に向いていない性格なので、営業職を辞める」と思う方もいると思う。冒頭の一言で早とちりせずに、最後まで読んで欲しい。
売れるには、「営業に向いていない性格を知り、営業に向いている性格に寄せて行動する」ことが大切なのである。
私自身、連絡はマメではないし、勉強だって嫌いだ。できれば、マイペースに生きたい。
そんな私でも売れるようになったのだから、売れる性格を押さえて、カメレオンのように”その性格に合わせて行動”すれば自然と売れるだろう。
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なぜ売れない営業マンは「商品のせい」にしてしまうのか

売れる営業マンは他責ではなく、自責である。対して、売れない営業マンは100%他責思考である。
売れない営業マンは、
「売れない原因はこの時計の認知度が低いから」
「この時計のスペックは某〇〇より劣っている」
このように、売れなかった原因を商品のせいにしてしまうのだ。
この発言は、売れない理由を自分自身に向けたくないために起こる。
……ここまでは、巷の営業本などにも載っている内容だろう。そして、ここの内容で終わってしまっては勿体ない。
「なぜ自責ではなく、他責(商品のせい)にしてしまうのか」をより深く追求しないといけない。
例えば、上記のような売れない営業マンに、「誰でも知っている、世界最高峰の腕時計を売ってこい」と最強の時計を渡す。それでも、”きっと売れない”だろう。
なぜ世界最高峰の「最強の時計」を授けても売れないのか
商品のせいにする、売れない営業マンは「世界最高峰の時計」を授けたところで売れない。商品のせいにできない理由を潰しても、売れない営業マンは売れないのだ。
答えは至ってシンプルである。
『商品知識を磨いていないから』だ。
自分が扱う商品のことを知らないために、商品のせいにしてしまう。
・なぜこの価格なのか
・商品の強みは何なのか
・商品の弱みは何なのか
・時代の流れと合っているのか
・誰を幸せにできる商品なのか
挙げればキリはないが、商品のことをロクに調べずに「自らの営業トークだけで売れる」と思っている”傲慢な性格”が災いを呼んでいる。
売れない営業マンに多いのだが、根拠のない自信を持ってしまったが故の結果である。営業本や自己啓発本には、「根拠のない自信を持て」と書いてあるが、そんなので売れるはずがない。
「自分は物を知らない営業マンだ」と言い聞かせないと、あっという間に天狗になってしまう。現在進行系で売れている営業マンも、だ。
売れない営業マンは「勘違い」をしている

売れない営業マンは、「売ることが悪い」と勘違いしている。
例えば、
「無理に商品を進めたくない」
「高い買い物だから慎重に…」
「本当に必要な商品なのかな」
このように、売れない営業マンは訳のわからない勘違いをする。
お客様が欲しいと思った商品を、お客様が欲しいと思うタイミングで、お客様の目の前に差し出すのが営業の仕事である。
つまり、”営業マンの主観”など必要ないのである。
「営業マンがどう思うか」ではなく「お客様がどう感じているか」が大切。自分軸で物事を考える性格を正すことに意識を向けてほしい。
こればかりは、意識して正すしかない。
「お客様はどう思っているのだろう」
「お客様はどう感じているのだろう」
このように常に”お客様目線”でいる意識を持つと、接客自体が変わってくるだろう。
余談だが、営業マンの中には「この商品売っても大丈夫かな?」と思いながら、営業活動している人もいる。
「粗悪品を高い金額で売る商品」の場合は、そのように思ってしまう可能性がある。
その場合に限り、上記のような思考になってしまうのは致し方ない。あなたは知らないかも知れないが、世の中には「石ころみたいな商品をダイヤモンドに魅せて売る会社」も存在する。ぜひその認識がある会社に勤めているのなら、すぐに抜け出したほうがいい。
営業マンとしての価値は下がる一方だからだ。
売れない営業マンは、やるべきことを忘れる

売れない営業マンは、やるべきことをとにかく忘れる。
・アポイントを忘れる
・伝えるべきことを忘れる
・プレゼン資料を忘れる
・アフターフォローを忘れる
・進捗報告を忘れる
このように、売れない営業マンは忘れやすい性格をしている。だが、契約を結ぶ前後で「忘れる度合い」も変わる営業マンもいる。
お客様との契約前は忘れ物が少ない。ただ、契約後は忘れ物が多くなる。このパターンは恋愛でよく言われる、釣った魚に餌をやらないクソ男タイプである。こういうタイプは、目先の利益しか求めていないので、何を言っても改善されない。
ただ、そうではなく、”純粋に忘れやすい”営業マンもいる。その営業マンには、改善策を提案したい。
「常にメモを取ること」である。
申し訳ないが、これしか方法はない。いや、もう一つある。メモしたことを思い返すために、アラーム機能で”未来の自分に知らせる工夫”をすることだ。
それでもダメなら、もう策はない。ただ、ここまでの行動をして、改善されなかった営業マンを私は今まで見たことがない。
そもそも論を言ってしまえば、「”自分自身で忘れっぽい”ということを認識しているにも関わらず、対策しなかった」という点が癖悪い。
嫌なことや面倒臭い「ひと工夫」から逃げずに、愚直に行動してみよう。本当に売れたいのなら、怠惰な自分を捨てることから始めるべきである。
最後に

少しキツイ言い回しがあったかもしれないが、ど直球ストレートボールしか投げられないので、そこは許してほしい。
というのも、営業の世界は毎日が戦場である。そんなヌルいことを言ってられない。ましてや、未曾有のウイルスのおかげでオフライン営業が滞り、本当の意味で頭を使う時代がやってきた。
これからの営業職は、足で稼ぐ力も大切だが、頭で稼ぐ力も同時に養わないといけない。そのためには、まず素直な性格を持ち、貪欲に新しいことを吸収する性格を磨くことが大切である。
私自身、偉そうに営業のことを語っているが、足りない頭で勉強している。足りない頭だと分かっているから、勉強する。自分という人間を知り、知ったうえで対策することが大切なのだと思う。