
営業マンがクロージングを終えた後、契約書にハンコを押す寸前に言われたらどうするだろうか?
「やっぱり300万円値引きして欲しい」
実際に顧客から言われた言葉である。
あなたは毅然とした態度で対応できるだろうか。
多くの営業マンが慌てふためくだろう。
その営業マンの姿は顧客に悪い印象を与える可能性がある。
その困惑する根本の原因は、おそらくこうだ。
『きちんとクロージングしたにも関わらず、突然このお客様は何を言っているんだ?先日この金額で決まったのに今更300万円値引きして欲しいって…』
もしかすると慌てふためく営業マンもいれば、イラっとした態度を出してしまう営業マンもいると思う。
非常に勿体ない。
契約書に印鑑を押す手前まできているのに、”あなたから嫌なオーラ”が出てしまっては全ての努力が水の泡と化す。
営業マンの本当のクロージングコツとは、
”突飛な無理難題をぶつけられた時の対応こそが、慌てないで対応すること”なのである。
このことを胸にこれからの営業に励んで欲しい。
たったこれだけのコツで、営業成績及びクロージング力は比較的にアップするだろう。
Contents
クロージングのコツとは?営業マンがお客様を本気にさせること
クロージングとは、相手に購入する意思を迫ったり、相手が購入するという結果を導き出しやすいような環境を整えたりする行動を指す。営業マンにおいてクロージングとは”お客様と契約を結ぶこと”を意味する。
クロージングの一般的な概要は上記の通りである。
だがクロージングをもっと簡単に一言で説明すると『お客様が商品を本気で買いたい!と思わせること』である。
この章では営業マンがクロージングを終えた後、契約書にハンコを押す寸前に「やっぱり300万円値引きして欲しい」と無理難題を言われた時に”どのように再クロージングするか”に焦点を当てる。
1回目のクロージングコツやテストクロージングコツなどを知りたい方は、こちらを参考にしてみて欲しい。
クロージングやテストクロージングのコツが完ぺきな人は飛ばして次へ行こう。
トップ営業マンの真のクロージングのコツとは?
一番大切なのは”なぜそのような発言をしたのか”をきちんとお客様に聞かなければいけない。
真のクロージングコツとは、お客様の悩みを聞くことである。
先ほどの答えにくい「やっぱり300万円値引きして欲しい」と言われたらどう対応するか。
顧客が信頼している営業マンが嫌なオーラを出しながら「上司に確認してきます!」と答えた時点でゲームオーバーである。
営業とはきちんとお客様の発言の理由を聞いた上で、きちんと対応してあげることしかない。
たったこれだけだが、聞けない営業マンが多い。
また顧客の発言の意図を聞くにもコツがいる。
営業マンが相手の話を聞くコツは、顧客から質問を受けた瞬間である。
「やっぱり300万円値引きして欲しい」と言われたタイミングで、その発言の意図を営業マンが聞かなければならない。
相手の発言の意図を聞かずに、会社に持ち帰ってはいけない。
上司に「お客様が300万円下げたい理由を聞いてこい!」と言われるのが関の山である。
質問を受けた瞬間に相手の意図をきちんと咀嚼して、持ち帰ることが大切なのである。
その結果、お客様は「この営業マンになら、言いにくいことも言いやすいな」と思って頂けるのだ。
この積み重ねが、信用を生み、信頼を生むのである。
信頼を積み重ねた先にあなたもお客様もハッピーな世界が生まれる。
どうせ仕事をするなら、楽しく仕事をしたい。
楽しく仕事ができるか否かは、あなたの実力によるところが大きい。
何度も言う。
クロージングのコツとは”営業マンが相手の意思をきちんと聞くか、聞かないか”だけの差である。
それならば勇気を出して、「エイッ!」と聞いてみよう。
あなたと相手との関係は180度変わるだろう。
再クロージングはコツ!営業マンがお客様の悩みを咀嚼するだけである
先ほどから話題に取り上げているお客様からの「300万円下げてほしい」は私の実体験である。
お客様に対するクロージングは終わっていた。
だからこそ私は契約書を読み終えて「ここに署名とご捺印お願いします!」と言えたのだ。
だがその直後に「実は…」とお客様が口を開いた。
もちろん強引にクロージングをして、無理矢理に契約を進めたわけではない。
だからこそスッと言えた発言がこちらである。
「なるほどですね、300万円は下げられたいとのことですが○○さん、どうされたのですか?」と質問しただけだった。
「実は、3,300万円で契約すると周囲に話したら、みんな3,000万円くらいで契約しているって聞いて、私たち払えるかな?と急に不安になってきてしまって…」と話してくれた。
多くの営業マンも急に300万円の値引きを要求されてビックリするとは思うが、顧客にきちんと理由を聞けば”不安になってしまった”だけの話なのである。
多くの方が一生に一度しか購入しない高額なお買い物。
不安にならないわけがない。
似たケースを経験した他の営業マンも「300万下げてほしい」と言われたらしい。
その営業マンが商談を終えたあと「理不尽なクレーマーだ!」と叫んでいた。
結局、支店長に「どうして300万円さげたいかを聞いてこい!」と言われていた。
クロージングが終わったと思っているのはあなただけ。
顧客が契約書にハンコを押すまで、きちんと悩みを解決しないと問題解決にはならない。
ツメが甘いクロージングはしてはいけない。
最後の最後まで”どうして下げたいのか?”をきちんと聞くからこそ、顧客の最後の不安を聞き出せるのだ。
クロージングのコツとは、最後の最後の一秒まで気を抜いてはならないことである。
強引なクロージングはするな!営業と顧客が信頼関係を結ぶコツとは?
強引なクロージングは顧客と営業マンの関係にヒビが入る瞬間でもある。
例えば先ほどの「300万円さげて欲しい」理由を聞けたとする。
「実は、3,300万円で契約すると周囲に話したら、みんな3,000万円くらいで契約しているって聞いて、私たち払えるかな?と急に不安になってきてしまって…」
もし営業マンのあなたが契約欲しさに「大丈夫です!お客様のご年収だと払えますよ!」と強引に契約しようとした場合、必ず言われる言葉がある。
「なるほどですね。少し考えさせてもらってもよいですか?」
これは営業マンに対する断り文句である。
営業マンが顧客の不安を解消してあげないと、お客様の中にある”モヤモヤ”は一瞬で膨れ上がるのだ。
相手はどんな契約もハンコを押すまで不安になるものである。
私がクロージングしている最中は、いつもお客様にこのように思っている。
顧客は、”あなただからこそ、この不安を打ち明けられたのだ”と、営業マンであるあなたが強く認識することである。
営業マンがこの気持ちさえ持っていれば、突飛な質問も受け入れられるだろう。
そして、営業マンとお客様の良好な関係をずっと築くことができる。
契約はお互いにとって気持ち良いものでありたい。
クロージング実例:「300万円値引きしたい」と、申し出たお客様に対するコツ
「実は、3,300万円で契約すると周囲に話したら、みんな3,000万円くらいで契約しているって聞いて、私たち払えるかな?と急に不安になってきてしまって…」
この質問の私の答えだが、「300万円は大金です。300万円と言いますと月々8,400円の差額です。もし宜しければ、少しご要望を変えられて、一緒に300万円の金額に近づけていきましょう!」と答えた。
その瞬間、「いや、大丈夫です!300万円の話は大丈夫です。契約します!」とご返答頂けた。
家の購入は人生で一番高い買い物である。
だからこそ営業マンがお客様の背中を押す最後のクロージングが大切である。
だがクロージングのコツを押さえずに、再クロージングをすると失敗してしまう。
ここでの”再クロージングコツ”は3つある。
1つ目のコツ:300万円は大金だと再認識させる。
2つ目のコツ:35年ローンだと、月々に直すと8,400円の差額。
3つ目のコツ:一緒にご要望を変更して、ご希望額に近づけていく提案。
この3つのコツを詳しく見ていこう。
必見!クロージングのコツとは会話を分解することだった
こちらを詳しく分解して、説明していく。
1つ目のコツ:300万円は大金だと再認識させる。
2つ目のコツ:35年ローンだと、月々に直すと8,400円の差額。
3つ目のコツ:一緒にご要望を変更して、ご希望額に近づけていく提案。
1つ目のコツ:300万円は大金ですよ!と認識させる。
50万円下げるお話なら少し仕様を落としたり、営業マンがお客様に歩み寄ったりすれば解決できる。
だが300万円だと営業マンが小変更や歩みよりのレベルの話ではなくなってくる。
だからこそお客様にとっても営業マンにとっても、”大きな金額”と共通認識させたい。
2つ目のコツ:大金だが、月々の返済にすると8,400円だと具体的な生活の支出に落とし込む。
ここで8,400円だったら払えると思うか否かは、お客様判断である。
払えると思ってもらえれば、ここで話は終了する。
ただ、払えないと思ったら、③に保険の文章を添える。
3つ目のコツ:家のご要望を変えて、目標金額に近づけていきましょう!と提案する。
この言葉の意味は、”300万円は値引きはしないよ”という意思が込められている。
値引きはしないが、満足いくまで一緒に変更していきましょう、という前向きな気持ちを添えている。
この①の認識付け、②現実に落とし込む、③落とし込んだ先が外れても、一緒に取り組む姿勢をみせるのがクロージングである。
この3段構えのコツで営業マンが臨むから、お客様に安心を与えられるのだ。
不安を取り除くのは営業の仕事だが、不安を払拭するのはお客様自身である。
だからこそ、顧客に最終決定権を渡すのだ。
クロージングのコツとは、営業マンの意思を無理やり押し込めるものではない。
もちろんあなたの話術で言いくるめる話でもない。
営業マンとお客様が一緒になって、決断していいく作業がクロージングである。
ますます明るい契約がこの世に増えれば、嬉しく思う。
秀吉