
否定疑問文を愛用すると、あっという間に相手との距離が縮まる。
初めて会う相手に、あなたの職業を当てられたりすると驚くだろう。
「あれ、あなたは自動車関係でお勤めの人ではないですよね?」
「え、なぜ分かったのですか!!」
このようにプライベートの事をズバリ当てると、相手の興味を一気に惹きつけることができる。
ここでのポイントが、「自動車関係でお勤めの方ですよね?」と言った訳ではない。
「自動車関係でお勤めの人ではないですよね?」と、否定疑問文にしているのだ。
ただの疑問文だと、外れた時に言い訳ができないが、否定疑問文だと”外れてもその後に同調できる”という裏技がある。
相手が「自動車関係ではなく、広告関係です。」と、外れたとしても、”やっぱりね”という顔をして、「そうですよね、細かい作業の連続というよりは、クリエイティブなお仕事をしている雰囲気が出ています!」と言うのである。
ヒットすれば御の字で、ヒットしなかったとしても、ミスしたわけでもない。
相手から”勤め先は広告関係”という貴重な情報を入手することに成功しているわけだ。
つまり、”~ではないですよね?”という否定疑問文は、「合っていますよね?」と「違いますよね?」の両方の意味合いを含んでいる為、どちらに転んでも結果は良しとなる。
このように営業とは、いかに相手から貴重な情報を入手した上で、信頼を築き上げるかの勝負である。
あなたが話す言葉に、”ヒットする仕掛け”を幾重にも仕込むのである。
その結果、あなたの発言がヒットすれば相手が『あなたに興味を抱き』、外れても『相手の貴重な情報を手に入れる』ことができる最上の技術である。
売れる人は、いつも行き当たりばったりの話を繰り出しているわけではない。
緻密に計算され尽くしたトークで、相手を魅了しているのである。
ぜひあなたも相手の心を掴んで離さない”否定疑問文”を使いこなし、相手との距離をグッと近づけてほしい。
その結果、豊かな人生を送っているのだ。
当てずっぽうにならない為の観察力を磨こう。その結果、ヒットする確率が格段にあがる。
先ほどの「自動車関係ではなく、広告関係です。」と外れた事例をあえて取り上げたが、ここまで見当違いな答えには慣れていればならない。
なぜなら、実際は相手の表情や持ち物、服装や立ち振る舞いからある程度は職業の範囲が狭められるからである。
よく耳にすると思うが、”服とは自分が何者なのかを発信するため”のものだ。
現場作業の人とIT経営者を間違えることがないように、営業マンとデザイナーを間違えることもないだろう。
また、長きに渡って会社経営者と、一般サラリーマンでは言葉や仕草の端々に違いがでるだろう。
つまり、経験を積めば”相手が着る服や発言の種類”によってある程度は、職業を絞れてしまうのである。
少しの経験を積めば、ヒットする確率は決して低くないのだ。
あとは日常会話で練習である。
外れてもよいから、とにかく練習あるのみだ。
否定疑問文の実践を積んでいくと、観察力と会話の躱し方を覚えて、どんどん感覚が鋭くなっていくものである。
その鋭さと比例して、相手の頭の中からあなたが離れなくなる。
営業の極意とは、いかに『相手の印象に残るか』が決め手となる。
”ただの良い人”でも、相手の印象に残らなければ、全く価値がないのが営業である。
あなたも今から印象に残る会話術を実践していこう。