
売上を挙げた先に待っているのが、営業部署のリーダーである。
これまであなたは個人で売上を挙げてきたと思うが、次は営業のチームで売上を作るのがあなたの役割である。
そこで本章では、私が実践で学んだ営業リーダーの役割についてご紹介する。
少し本音を言いすぎる部分もあるが、大目に見て頂きたい。
リーダーの役割とは、相手を受容すること
部下に100通り伝えるのがリーダーの役割
多くの営業リーダーがつまずく点がある。
それは部下の成長を長い目で見てあげれない点だ。
部下の”現在”の実力を測っても、物足りないのは当たり前である。
まずその現実を認めてあげてほしい。
万が一、「言うことなし!」という部下が居たとしたら、あなたより出世するかも知れないし、あなたが部下になる可能性だってある。
つまり営業リーダーの役割とは、部下の今の実力を正確に判断し、的確に指導する点にある。
ぜひ部下の物足りなさを「なんでお前は営業ができないんだ」と言うのではなく、”あなたより営業ができないから部下なのだ”ということを受容して欲しい。
すると「この部下にはどう伝えたらよいのか」という部下目線の発想になる。
これが営業リーダーには必須の考え方である。
営業リーダーが直面する壁とは?100通り伝える役割
リーダーを目指す人ならば、誰しもぶつかる壁がある。
率直に未来の営業リーダーに申し上げたい。
綺麗ごと抜きで「部下はあなたをイラつかせる天才だ!」という事実を知らなければならない。
あなたがいくら愛情を持って「100%伝えきった!」と、思ってもせいぜい30%程度しか伝わっていない。
部下からの一言、一言に、傷つくこともあれば「カチンッ!」とくる場合もある。
悪気があるのならば当然受け入れる必要などないが、悪気がないのならばしっかり受け入れるべきである。
受けとめた上で、「次はどう伝えれば分かってくれるかな?」と考えるのが、あなたの役割である。
1回言って分かる人などいない。
100通り違う言い方で伝えてこそ、リーダーである。
「相手に合わせた伝え方ができる能力」が一番リーダとして持つべき役割だ。
その結果、部下はあなたに魅力を感じ、魅了され、次第に部下の身体の中にあなたの言葉がストンッと落ちる日がくるはずである。
それまで、あきらめないのがリーダーの役割である。
リーダーの役割は感情コントロール!
デキる営業リーダーとデキない営業リーダーの差は一体なんだろうか。
極めてシンプルだが、「感情コントロールができるか否かにある」のだ。
そもそもリーダーの役割とは、徹底した感情コントロールが仕事ともいえる。
先ほどの「理解できていない部下に100通りの伝え方をしよう!」というのも感情コントロールの極みである。
デキるリーダーは、部下を褒める際には感情むき出しにして、まるで自分のことのように喜ぶ。逆に叱る際には、冷静沈着になって理性的に淡々と諭しながら気づかせる。
これが感情コントロールの理想形である。
結果、感情と理性を出すタイミングが、その人の年収やポジションを決定していく。
部下を感情で褒めちぎって、理性で淡々と叱るのだ。
感情コントロールが成せる技である。
超一流の営業リーダーの役割とは、完璧な感情制御力!
嫌いな人を触れないでおくのが、三流の営業リーダー。
嫌いな人を扱うのが、二流の営業リーダー。
周囲から嫌いな人だと気付かれずに誘導するのが、一流の営業リーダー。
嫌いな人があなたを好きになるが、あなたが嫌いだとは相手には露程も感じさせないのが、超一流の営業リーダである。
組織で仕事をする上で、リーダーに好き嫌いは必要ない。
徹底した感情コントロールがリーダーの役割である。
ついていきたい!と思われる営業リーダーの役割
【役割1】営業の部下達が働きやすい環境作り
リーダーが不機嫌だと、営業の部下たちも気を遣ってしまう。
いや、違う。気を遣われてしまう。
リーダーが部下に気を遣われたらゲームオーバーである。
営業のチームで目標を達成するには、メンバーが働きやすい状況を整えてあげなければならない。
気持ちよく働ける環境を整備するだけで、必ずチームのパフォーマンスは上がる。
ミッション達成後に「またこのリーダーと仕事がしたい!」「リーダーの役に立ちたい!」と思える環境作りが、正の循環を生むのである。
リーダーは働きやすいインフラ整備を整えるのも、役割である。
どうすれば働きやすい環境になるのか
働きやすい環境を提供するのもリーダーの役割だが、一体どうすれば理想の環境を提供できるのだろうか。
先ほどの「またこのリーダーと仕事がしたい!」と思ってもらえれば理想は手に入る。
つまり「あなたとこれからも仕事をしたい」と思わせるだけでいいのだ。
あなたと仕事をしたくないと思われてしまっては、どんなにインフラを整えたとしてもプロジェクトは上手くいかない。
チームで目標達成するには、チームが一丸とならないと達成などできないはずだ。
だからこそ、リーダーと仕事がしたいと強く思ってもらう必要がある。
プロジェクトが失敗した時こそ、リーダーの腕の見せ所
人は成功した時より、失敗した時の方が絆は深くなる。
ただデキない営業リーダーは、プロジェクトが失敗した時に絆が壊れる。
デキない営業リーダー:「お前のあの失敗さえなければ…」
デキる営業リーダー:「この経験を糧にして、一緒に頑張ろう!」
デキる営業リーダーの役割とは、プロジェクトの成否に関わらず、チームの絆を深めていくことである。
働きやすい環境とはリーダーが作り上げていくもの。
チームの信頼貯蓄を貯めていこう。
【役割2】部下を信じて仕事を任せる
リーダーの役割は、仕事を任せることである。
残念なリーダーは、仕事を任せずに自分で処理してしまう。
なぜなら人に任せるより、自分で進めた方が早いと考えるからだ。
最低なリーダーは、仕事を任せたが失敗しても責任を取らない。
成功すれば、自分の手柄にする汚い人間。
こんなリーダーには誰も人はついてこない。
反対に最高のリーダーとは、仕事を任せて失敗すれば、全責任を負う。成功すれば部下に手柄を持たせるのが理想のリーダーである。
【役割3】リーダーこそ、自分の商品に自信を持つ
メンバーの誰よりも自社の商品に自信を持つのも、リーダーの役割である。
リーダー本人が商品をコケにする姿をみると、誰もついていきたいと思えない。
リーダーこそ、誰よりも商品を愛していなければならない。
自分自身が良いと思っていない商品を、他人に良いと思わせようとするのは傲慢である。
常に自社の商品やサービスのメリットを語り、”自社の商品に自信”を持ってもらうのがリーダーの役割である。
その想いが、メンバーに伝わり、エンドユーザーの顧客にまで必ず伝わる。
結果、チーム全体の業績も向上する流れになる。
あなたが誰よりも自社の商品を好きになろう。
営業マン必見!自社商品を好きになるコツ
先ほどのリーダーは誰よりも商品を愛することが役割だと伝えた。
だが何もせずして、自社商品を愛せたり、好きになったりするのは難しい。
では一体どうすれば好きになれるのか。
それは自社商品の歴史を知ることである。
人間には知識欲が存在する。
先天的に備わっている知識欲を刺激するには、調べる手段が手っ取り早い。
まずは、下記を調べてみて欲しい。
・商品が出来た経緯
・会社が存続している理由
・顧客からの生の声
商品が売れるのは、きちんとした顧客の需要があるからである。
PS:営業のリーダーは希望を与える存在である
やっぱり部下がついていきたいと思えるリーダーになろう
個人の売上の幸福度より、チームの売上を達成させる幸福度は全然違う。
あの何とも言えない「体の底から力が漲ってくる感情」は何度体験しても、飽きない。
あなたの自己肯定感も満たされるし、チームの自己肯定感も満たされる。
私は人生の中で、成長欲が一番刺激的だと思っている。
営業に終わりはないし、リーダーにも終わりはない。
一生勉強できるからこそ、人生は面白いのだ。
リーダーは辛いこともあるが、それ以上に幸せを感じることができる。
あなたには奇跡的に授かった命を全力で全うして頂きたい。
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