
意見が通る本質は、”何を話すか”より、”誰が話すか”である。
あなたがどんなに熱弁をしても、あっさり他の人の意見が通ることが多いかも知れない。
同じような企画を提案しても、一方は受け入れられて、あなたのは受け入れられないかも知れない。
人生において、「なぜ、アイツが…」という経験はあるだろう。
当時、私も大いに悩まされた。
上司に「秀吉君、これどう思う?」と意見を求められて、背筋をピンっとして自分の意見を述べた。
だがある時、全く同じやり取りを別の社員にしているのを見て、私はゾッとしてしまった。
なぜなら、別の社員と私の意見は同じだったにも関わらず、上司は別の社員の意見を大いに称賛していたからだった。
私はその現場を陰で見ていて、卒倒しそうになった。
もちろんその後、私と同じ意見が別の社員の発言として採用された。
その経験から、同じ意見や同じプレゼンでも、”採用される方法”を観察し続けた。
観察し続けた結果、一つの共通点が見つかったのである。
それは、『同じ発言をしたとしても、その人の今までの”実績”や”信用”によって大きく結果がかわる』ということだった。
つまり、実力をつけた人の発言のみが採用されていたのである。
それが分かったとしても、人気がある花形の部署で実績を残すには、相当時間がかかる上に非常に競争率が高い。
あなたがいつまでもその競争率が高い土俵で戦っていては、いつ認められて、いつ発言力がつくか分からない。
そこで、あなたは周囲が手をつけていない、”競争率が低い分野”に力を入れて、他者を圧倒するのだ。
その方が、認められるスピードは100倍速い。
現に私が競争率が低い分野に力を注いだおかげで、周囲を圧倒することが出来た。
何も難しいことはない。
誰もが手をつけていない分野か、誰もが面倒臭くて行動しない習慣に目をつけるのだ。
私の知人も営業職では鳴かず飛ばずだったが、違う分野で大いに活躍している。
誰も話をきちんと聞いてくれない環境から、今や会社の経営会議に参加して発言しているという。
そのきっかけは、間違いなく、”誰も手をつけていない分野”に手をつけたからである。
のちほどその方のエピソードも交えて話すのだが、見事に自分の個性を発揮した結果だった。
ぜひ、あなたも競争率1.0倍の中で邁進してほしい。
その結果、周囲はあなたに意見を求めてくるだろう。
あなたの会社の”弱点”を知り、そこを衝こう。
あなたの会社のウィークポイントはどこだろうか。
皆が集中している花形の仕事の中で抜きん出るより、その中にいながらも違う分野に挑戦するのは素晴らしいことである。
それは、花形の仕事ではない違う部署にいても同じことが言える。
なぜなら、大多数の人が会社から、”言われたことしかやっていない”のだから、少しでも違うことをすれば目立つのである。
もちろん、その環境の中で抜群の結果が出せるのなら、苦労はしないだろうが、この記事を読んでいるということは、若干苦労している人だろう。
もし、会社の仕組みの中であなたの力が発揮できないのだとしたら、”今いる分野”と”あなたの個性”を組み合わせるだけで、結果は大きく変わってくる。
例えば、あなたがパソコンやネット関係に詳しいとする。
あなたの勤めている会社は、超アナログ会社だとしたら、これはチャンスである。
なぜなら、あなたの周りはデジタルに弱い人ばかりだということだからだ。
そこで、あなたは会社のHPに手を加えて、SEO対策などをしてみるのもいいだろう。
鋭いあなたは会社の広告費に目をつけて、得意のSEO技術で経費削減に取り組むのもいい。
そのことに気付いたあなたは、昔ながらのゴリゴリ営業マンの先輩を、あっという間に違う分野で抜いてしまうかも知れない。
その営業マンが売上を生むのと、あなたが会社の広告費の経費に目を付けて、得意のSEOの技術で経費削減するのは同等の価値がある。
ちなみに、この事例は私の知人の実話であるが、その知人は営業マンとしては鳴かず飛ばずだったが、自身の趣味であるパソコン技術で『年間1憶円の広告費削減を実現』したのだ。
つまり、売上を生むことばかりの攻めではなく、守りに目を向けたということである。
今では他の部署から引っ張りだこで、最短出世を果たしている。
その上、経営会議にも参加するほどだという。
そこで私はその方に「何が一番変わりましたか?」と聞くと、コッソリ私だけに教えてくれた。
「今まで僕の意見を無視していた人の態度が、手のひらを返したように変わった」と。
これは夢物語でもなんでもなく、花形の営業ではなく、見事独自の土俵で成功した実例である。
その話を聞いた4か月後にまた会うと、状況が進展していた。
今では、社長と直接意見交換ができるようになったということだった。
必ずあなたにも、”あなたならではの個性”がある。
その個性と会社の弱点を照らし合わせることから始めてみよう。
ぜひ、あなたも王道ではない土俵で思う存分、力を奮ってほしい。
その結果、あなたは社内で重要な存在となり、誰もがあなたの話に耳を傾けるだろう。
PS:小さなことコツコツやるだけで、仕事の成果は一変する
競争率が低い分野に挑戦しよう、と言ったが、難しく考えないでほしい。
難しく考えると行動できなくなってしまう。
小さいことからでいいのである。
会社があなたに習慣化させている業務の中に、”あなただけのエッセンス”を加えることから始めてみるのだ。
例えば、私でいうと保険業界の人がお客様にお会いした後にお客様の自宅のポストに”お手紙”を入れる習慣がある。
私はそれをそのまま真似したのである。
私のいる業界では、お客様にお手紙を書く人は滅多にいない。
もちろん、私が勤めている会社及びグループ会社の中にも一人もいない。
そこで、私はお手紙をお客様及び名刺を交換した方に、感謝の意を込めて書き続けている。
その結果、今がある。
まずは小さな習慣からで構わないと思う。
他の人が手をつけていない習慣から始めよう。
感謝の気持ちをひと手間お手紙に加えるだけで、お客様はあなたの話を熱心に聞いてくれるようになるだろう。